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ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 17d0222 2

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17- D- 0222 201 7 年 6 月 2 0 日

調剤薬局大手各社の 17/ 3 期決算の

注目点

調剤薬局各社の16 年度業績および17年度業績見通しなどを踏まえ、現況に関する J C R の認識と格付上 の注目点を整理した。対象企業は 3月期決算のクオール、日本調剤、メディカルシステムネットワーク、総 合メディカル、トーカイに、4 月期決算のアインホールディングスを加えた計 6 社である。

1.

業界動向

調剤医療費は15 年度まで一貫して増加基調にあったが、16 年度(4 月∼12 月実績)は前年を下回って推 移している(図表 1)。医薬分業の進展により処方せん枚数は増加しているものの、1枚当たり単価が大幅に 低下しているためである。16 年 4 月の薬価改定率がマイナス 7. 8%と例年より拡大したことに加え、15 年に 発売された高薬価の C型肝炎治療剤の処方がピークアウトし、薬剤料への下方圧力が強まっている。もっと も、17 年度は薬価改定がないため、薬剤料は上昇に転じ、調剤医療費も拡大していく可能性が高い。

16 年度調剤報酬改定は、後発医薬品調剤体制加算や基準調剤加算の算定要件の厳格化、チェーン薬局を 対象にした調剤基本料の特例引き下げなど、厳しい内容となった。これを受け、改定直後の技術料単価は前 年度比マイナスとなったものの、その後、引き上げの取り組みが進捗し、通期平均でみると前年並みにまで 回復している。こうした中、17 年 4 月に、調剤基本料の特例引き下げを避けるため、クオールの一部店舗で 不正な保険請求が行われていたことが判明した。18 年度調剤報酬改定の検討が本格化しつつある中で、薬局 業界の風評が悪化し、業界や医薬分業のあり方に対する批判が強まることが懸念される。

足元、M&A が一段と活発化してきている。大手企業は、16 年度に数十億円から百数十億円に上る比較的 大規模な M&Aを相次いで行ったほか、小規模な M&Aも増やしている。厳しい薬価改定や調剤報酬改定を受 けた収益環境の悪化、薬剤師の不足、後継者の不在などが売り手側の背景にあるとみられる。現状、大手企 業の業界内シェアは数パーセントにとどまるが、今後、寡占化のペースが加速していくと想定される。

2.

決算動向

16 年度は集計対象 6 社合計で売上高 9, 187 億円(前期比 2. 9%増)、営業利益 457 億円(同 7. 1%減)と増 収営業減益、営業利益率は 4. 98%(同 0. 53ポイント低下)となった。個別企業では、トーカイを除く 5 社 が増収となったが、営業増益を確保したのはクオールと総合メディカルの 2社にとどまった。薬局関連のセ グメント業績でも、増収はクオールとアインホールディングスのみ、利益は全社が減少する厳しい決算が見 て取れる。出店間もない店舗の客数の増加が寄与したとみられる一方、例年より大きい薬価引き下げや C 型 肝炎治療剤の減少がマイナスに働いた。また、6 社合計の営業利益は、期初計画の 501 億円に対して 44 億円 の未達で着地しており、各社が想定した以上に薬価改定などの影響が大きかったものと考えられる。薬局以 外の事業では、アインホールディングスの物販事業の赤字幅が拡大した。店舗の積極的なスクラップ・アン ド・ビルドが主因である。一方、クオール、総合メディカル、トーカイの薬局以外の事業は増収増益を確保 しており、薬局事業の減速を一定程度カバーしている。

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3.

決算に

格付上の

注目点

17 年度は6 社合計で売上高9, 847 億円(前期比 7. 2%増)、営業利益 514 億円(同12. 5%増)の計画であ る。売上高は全社が増加を計画、営業利益はトーカイを除く 5社が増益を予想している。トーカイは在宅調 剤強化店舗の設置に伴う労務費の増加などの影響により微減益の予想である。

売上高については、薬剤料単価の低下が一巡することに加え、近年出店した店舗の客数増、前期に M&A で取得した店舗の通期での業績寄与が見込まれ、増収基調を維持するとみられる。ただ、会社計画には、未 確定の出店、M&A 案件も含まれており、売上高はそれらの進捗により変動しやすい。一方、利益面では、薬 剤料単価の低下の一巡や近年出店した店舗の増収とともに、技術料収入の引き上げに向けた取り組みが寄与 すると想定される。出店の進捗、後発医薬品調剤体制加算や基準調剤加算などの算定増への対応が主な注目 点となる。また、18 年度以降の調剤報酬改定に向けて、24 時間対応・在宅対応など、かかりつけ薬局・薬 剤師が持つべき機能の着実な強化が重要と考えられることから、それらの取り組みにも注目していく。

大手各社は、今後も継続的な自社出店や M&A を通じ規模拡大を目指すとみられ、引き続き高水準の投資 支出が予想される。アインホールディングスは、敷地内薬局(16 年の規制緩和を受け、大学病院等医療機関 の敷地内に開設される薬局)の影響に留意しつつも、100 店の出店を計画している。また、その他の企業で も、薬局以外の事業を含め投資支出が拡大していく可能性があり、総じて財務改善は進みづらい状況と考え られる。

(担当)本西 明久・佐藤 洋介 (図表 1)国内の調剤医療費、処方せん枚数、1 枚当たり調剤医療費の対前年伸長率、薬価改定率

10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 15 年度

16 年度 4- 12 月

(前年同期比)

調剤医療費 3 . 6 % 7 . 9 % 1 . 3 % 5 . 9 % 2 . 3 % 9 . 4 % - 3 . 3 %

処方せん枚数 4 . 3 % 2 . 2 % 1 . 5 % 0 . 6 % 1 . 8 % 1 . 9 % 1 . 5 %

1枚当たり調剤医療費 - 0 . 6 % 5 . 5 % - 0 . 3 % 5 . 4 % 0 . 5 % 7 . 3 % - 4 . 7 %

1 枚当たり技術料 4 . 7 % 1 . 1 % 2 . 0 % 1 . 4 % 0 . 0 % 1 . 4 % 0 . 0 %

1 枚当たり薬剤料 - 2 . 4 % 7 . 2 % - 1 . 1 % 6 . 8 % 0 . 6 % 9 . 2 % - 6 . 3 %

薬価改定率 - 5 . 7 5 % - - 6 . 0 0 % - - 2 . 6 5 % - - 7 . 8 %

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(図表 2)調剤薬局各社の業績推移 (単位:百万円)

決算期 売上高 営業利益

親会社株主

に帰属する

当期純利益

総資産 自己資本

有利子

負債

クオール (3034)

16/ 3 期 124, 957 6, 743 3, 709 69, 847 20, 763 23, 194 17/ 3 期 131, 502 6, 865 4, 353 81, 290 21, 317 33, 607 18/ 3 期予 145, 000 7, 500 4, 400

日本調剤 (3341)

16/ 3 期 219, 239 10, 489 6, 329 157, 609 32, 473 66, 361 17/ 3 期 223, 468 8, 519 4, 638 178, 347 36, 447 86, 090 18/ 3 期予 234, 697 10, 105 5, 639

メディカルシステム ネットワーク

(4350)

16/ 3 期 87, 715 3, 783 1, 720 48, 847 9, 914 21, 769 17/ 3 期 88, 865 2, 113 571 50, 737 10, 222 24, 049 18/ 3 期予 95, 000 3, 100 1, 000

総合メディカル (4775)

16/ 3 期 120, 776 6, 087 2, 318 74, 621 29, 442 16, 779 17/ 3 期 122, 216 6, 248 3, 779 86, 760 32, 605 23, 529 18/ 3 期予 135, 566 7, 001 4, 029

アインホールディングス (9627)

16/ 4 期 234, 843 14, 619 7, 917 139, 888 53, 258 21, 742 17/ 4 期 248, 110 14, 563 7, 949 156, 323 60, 105 26, 808 18/ 4 期予 267, 500 16, 600 8, 900

トーカイ (9729)

16/ 3 期 105, 517 7, 513 5, 226 80, 252 52, 048 4, 480 17/ 3 期 104, 572 7, 443 5, 306 84, 514 56, 698 3, 104 18/ 3 期予 106, 937 7, 163 4, 991

6 社合計

16/ 3 期 893, 047 49, 234 27, 219 571, 064 197, 898 154, 325 17/ 3 期 918, 733 45, 751 26, 596 637, 971 217, 394 197, 187 18/ 3 期予 984, 700 51, 469 28, 959

(注)有利子負債は各社決算短信の短期借入金、1 年内償還予定の社債、1 年内返済予定の長期借入金、リース債務 (流動負債)、社債、長期借入金、リース債務(固定負債)、長期割賦未払金(固定負債)の合計

(出所)各社決算資料より J C R 作成

【参考】

発行体:総合メディカル株式会社

長期発行体格付:BBB 見通し:安定的

発行体:株式会社アインホールディングス

長期発行体格付:A - 見通し:安定的

■留意事項

本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また

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■NR S R O 登録状況

J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ

スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。

■本件に関するお問い合わせ先

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